医療機関債

ちょっと時間がたってしまったが、実は注目している。資本の原理を病院に入れることと、投資家が病院を取り巻く広い意味のstakeholderであるということがユニーク。もっとも、お医者さんにお礼をする代わりに病院債を購入などということになるのかもしれませんが。

初の医療機関債、札幌の病院が発行へ 三井住友銀が引受 - asahi.com : 経済

初の医療機関債、札幌の病院が発行へ 三井住友銀が引受

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 病院の資金調達方法を広げるために厚生労働省が昨秋設けたガイドラインに基づく初の「医療機関債」を、札幌市の医療法人、カレスサッポロが今月中旬に発行し、7億円を調達する。ガイドラインは経営状況や情報開示に条件をつけており、発行側は経営の安定性、透明性をPRできる。病院が公募債を発行する時代に向けた新たな動きだ。

 北光記念病院など2病院と2診療所を同市内で経営するカレスサッポロは、04年3月期の税引き前利益が2億7000万円としている。今回の医療機関債は、ガイドラインをもとに経営状況を判断した三井住友銀行が全額を引き受ける。調達資金は業容拡大に向け、別の病院の土地・建物の取得やその業務引き継ぎに充てるが、償還期間や金利は明らかにしていない。

 厚労省が求める同債発行の条件は(1)税引き前で3期連続黒字(2)現状では義務づけられていない、公認会計士監査法人による監査を受けている(3)土地、建物など資産取得が目的、など。通常の銀行借り入れに頼ってきた医療機関にとって、こうした条件さえ満たせば、固定金利での長期資金の新たな調達法となる。

 ガイドラインは、同債を証券取引法上の有価証券ではなく、借入金の一形態と規定。ただ、購入者が医療法人の信用力を判断できる情報の開示を強く求めている。医療法人もいずれ公募債などを出すようになり、資金調達で金融市場での選別を受ける時代がくるとの見方があり、病院経営に対する市場原理の本格導入の契機となる可能性がある。 (03/05 18:49)