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 【バンコク竹之内満】日本とタイの自由貿易協定(FTA)締結交渉を巡り、タイのタクシン首相が小泉純一郎首相あてに、交渉打開を目指して「最後通告」とも受け取れる書簡(4月27日付)を送付していたことが3日、分かった。外務省筋によると、4日にも駐日タイ大使などを通じ、官邸に届けられるという。

 交渉で、農産物の自由化では事実上合意しているが、日本が求める熱延鋼板などの自由化にタイ側が難色を示している。こうした中、タクシン首相は「日本が熱延鋼板で進展を求めるなら、砂糖や缶詰パイナップルなどタイの農水産品の市場アクセスを拡大させること」などを求めた。

 その上で、同首相は「交渉を7月までに成功させるため(小泉首相の)大きな支援を期待する」と結んでいる。

 タイ政府当局者によると、この時期の書簡は6日に訪タイする中川昭一経産相がタクシン首相と会談する際、正式な回答を得るのが狙い。「4月の前回交渉で、日本側はタイ側の要求をタクシン首相ら責任者のものと認めなかった。このため最高責任者の『最後通告』としてきちんと条件を表明するのが狙い」という。

 一方、日本の外交筋は冷静な対応を続ける構えという。ただ、タクシン首相の書簡は、事実上合意に達した農業分野について蒸し返す内容で、今後の交渉に波紋を投げ掛ける可能性がある。

毎日新聞 2005年5月3日 22時32分