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2006.09.17

[フィナンシャル ジャパン] BRICsの次にブレイクするのはこの国だ!?

 ポストBRICs 〜ネクストイレブン
 [フィナンシャル ジャパン9月号[7月発売号掲載]

 アメリカの投資銀行であるゴールドマン・サックスが2003年に発表したグローバル経済報告書『BRICsとともに夢見る――2050年への道(Dreaming with BRICs:The Path to 2050)』でBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)が紹介されて以来BRICsは、ゴールドマン・サックスの当初の予想ををはるかに超える速さで成長してきており、今や各国のグローバル経済政策の中に必ず組み込まれる存在となっている。

 今後10年、20年、世界経済の中でBRICs経済のみならず、新興国経済をも的確に捉えて、共存共栄する道を考えることがますます重要なる。
 BRICsに続く新興国として、ゴールドマン・サックスが『グローバル経済報告書134号』(2005年発表)で新たに取り上げるのが、ネクスト・イレブン(N−11)だ。すなわち、バングラデッシュ、エジプト、インドネシア、イラン、韓国、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、トルコ、ベトナムの11カ国である。
 はたとお気づきの方もいるだろう。南アフリカや香港やルクセンブルグの名前がないではないかと。ゴールドマン・サックスの分析によれば、南アフリカはGDP(国内総生産)平均3.5%程度成長を続け、一人当たり所得もG6(先進六カ国:アメリカ、日本、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア)のレベルに急速に到達するものの、2050年にはそのGDPはBRICsのそれを下回り、世界重量級の経済国にはならないとされる。また、世界のサクセスストーリーを築き、高い生活水準と一人当たり所得を誇る香港やルクセンブルクも世界大国にはなり得ないという見解だ。経済成長を支える労働人口が将来不足する限り、その経済成長も世界的なインパクトにはなり得ないというのが理由だ。
 BRICs同様、N−11は、ゴールドマン・サックスが独自に開発したGES指標(Growth Environment Score=成長環境スコア)によって選定されている。GESとは、実際の経済成長ではなく、国が持つ成長潜在力を時間の経
過や環境変化とともに測る指標で、5つの要素から経済成長潜在力を測った指標だ。
その五つの要素とは、?マクロ経済の安定性(インフレ率、政府債務、対外債務など)?マクロ経済の成長性(投資効率、経済開放性)?技術力(パソコン・電話・インターネットの普及率)?人的資源(教育、寿命)?政情(政局の安定度、法治制度、汚職の度合い)である。(続く)
 
(追伸)「週刊!木村剛」は、金融経済月刊誌「フィナンシャルジャパン」(年間購読はココ)メディア・コラボレーションしています。

2006 09 17 [13. フィナンシャル ジャパン] | 固定リンク