サブプライム・ローンと授業

ゼミでは、後期冒頭からサブプライム・ローンを題材に上げて、もともとサブプライム・ローンとは一体どのような仕組みであったのかという点に絞って2年生の学生さん達と一緒に見てきた。その間、指導教員は、色々な角度でこの問題を勉強しているけれども、どんどん問題が拡がって深刻化していくのを見て、唖然というのが正直なところ。

最初は、流動性の供給で資金市場も機能を回復するかとも思ったが、どうも問題の根は深く簡単には解決しそうもない。金融緩和だけでは、エネルギーや食品価格の高騰もあって数年後に高インフレに悩まされそう。財政支出を含めた対応が必要なんだろう。グリーンスパンは昨日、サブプライム・ローンで差し押さえにあい困窮している借り手について、減税あるいは資金供与という方法が考えられ、それは短期的には財政支出負担となっても、ローン金利の凍結よりは有効、とコメントしたようだ。FRBトップとしての発言抑制の必要がなくなった面はあるが、ミクロの経済指標ウオッチに優れる彼の発言だけに、重みがある。来年に入るとやはり米国はかなりの景気後退となるのだろうな。