平林千春 奇跡のブランド「いいちこ」 パワーブランドの本質

焼酎ブームとともに、あるいはこれに先行して焼酎の全国ブランドの最右翼に躍り出た「いいちこ」の発展の歩みやその強みを色々な点から分析している。実は1年前に購入したのだが最後の3分の1を読破できないままになっていた。焼酎そのものの説明からすすんで、なぜいいちこの品質が高いのか、ブランド戦略の上河北秀也氏が広報誌を中心に果たした役割の分析、追われる立場にあるいいちこがどのようにこれを打開していくのか、等、説得力ある説明が展開される。
ちょうど、焼酎の中でいいちこがもっともなじみやすく飽きにくいブランドだと感じたのがきっかけで本書を入手した。酒についての本は多いけれども、マーケティング的な立場で見ているものは少ないのではないか。その点、平林氏自身がいいちこにかなり近い立ち位置にあることで、詳細な具体的情報に触れることが出来る。いたずらに規模を求めず品質の維持に努めれば、いわゆるexcellent companiesは生き残っていくのかもしれない。ただ、著者の立場がかなり三和種類(いいちこを作っている会社)寄りな感じもする。