傘の下に隠れているのは誰だ?

Paul KennedyのAmerican Powerと題する寄稿。米国は世界中に軍事力を展開し国際公共財を提供してきたが、その結果、例えば、2回のイラク戦争を戦ったが、それによって米国の消費者が以上に高いエネルギー価格などにあえぐことがないようにできたかというと、むしろ主たる恩恵を受けたのは、東アジア、欧州ととおにアラブ諸国(サウジアラビアや湾岸諸国)。結局ソブリンウエルスファンドの興隆をまねいており、資本を必要としている企業にとっては大きな意味を持つが、グローバルな経済の均衡や政治の均衡に変化をもたらすものだ。このように1945年以降機能してきた米国が指図する国際的な戦略的傘が、ここ20年のグローバルな経済の伸び(ブーム)で生きながらえてきたのが、また緊張関係に入りつつある。米国が困難に遭遇すると米国だけではなく他の国々も困難に遭遇する。

結論は最後の部分だが、その前に次の米政権の財政・税政策によっては米国による支配をあと数十年保つことができるかもしれない、としている。いずれにしても、購買と基軸通貨米ドルを提供してきたシステムは、軍事力という傘のもとにあり、その傘がもたらしたのが、今の産油国や新興国の台頭でありソブリンウエルスファンドの興隆でもある。
http://www.iht.com/articles/2008/01/30/opinion/edkennedy.php