ソブリンウエルスファンドの透明性 米議会の動き

Schumer上院議員(民主党)がSWFが非経済的な目的で投資しないようにその透明性を高めるために立法を考えていることを明らかにしたとの報道。議会の合同経済委員会での発言。彼は委員長。日本の外資規制の議論でも参考になることが多いと思うが、彼の議論を新聞報道で整理すると以下の通り。

SWFの多くは不透明で公的に責任を負っていないので、統治構造や信託構造がよくわからない。少なくとも、SWFの決定がもっぱら経済的なベースでなされていることがわからないというのが問題、とする。

で、もし IMFの提案、これには米国が賛成しているが、SWFが自主的にcode of conduct(行動規範)を策定するというものだが、これが失敗した場合、米国内の立法で対処したいというもの。特に昨年の、国家安全上の理由での米国への外国資本の投資についての改革が十分かどうか、あるいは、抜け穴を防ぐために立法が必要かどうかを精査したいという。→米国のいう国家安全上の理由とか、さらには、この抜け穴が具体的に何を指すものか日本の立法、行政も調べておく必要がありそう。

彼はは2006年のドバイ港湾局(?)(Dubai Port World)による米国内の6の港湾支配に反対し、これを頓挫させているが、一方で、Citibank へのアブダビ投資庁の投資など個別の取引には賛成しているらしい。議会内でも実力者だがニューヨーク州選出ということで金融界とのつながりも深いらしい。

なお、米国財務省は、投資の自由を妨げることは保護主義の報復合戦に結びつきかねず、かえって米国企業がグローバルに展開する恩恵を危うくするもの、とこの議会でのヒアリングではコメントしているとのこと。

http://www.ft.com/cms/s/0/de07f260-daa9-11dc-9bb9-0000779fd2ac.html