金融関係規制強化を鳥瞰して?

FTのLex Columnがこのところの動きを鳥瞰したものを載せている。

http://www.ft.com/cms/s/1/3404d28e-1b3f-11dd-9e58-0000779fd2ac.html

今回の信用収縮の勃発以来、バンカーの報酬の規制、規制監督当局者の見直し、複雑な金融商品の格付や会計方法の見直しなどが提案されてきたが、その中で実際に実を結んだもの(具体化したもの)は一握りに過ぎない。

米国の財務長官による金融サービス規制の再構築の計画も、大統領選が終わって新しい政権下でまた提案が改めてなされるだろう。規制監督当局は、バンカーの報酬については長期的な成長と報酬を結びつけるように強く求めているが、しかし、IIFが出した自発的な努力は公的な支援がないと実現は難しいだろう。トップレベルの人材を引き留めるためにはこういったガイドラインを無視しようというインセンティブはあまりに強いという。

より穏健な提案がFSF(金融安定化フォーラム)から出ているが、複雑なクレジット商品について必要な資本を増やしディスクロージャーをより強めるもの。このなかで英国では預金保険制度が強化され、破綻金融機関を処理する正式な制度が作られる見込みである。

ここで、fair value accountingを停止するという提案については、金融機関側は買い手がいない場合投資商品をほとんどゼロ評価するのはフェアではないと主張するが、そういった状況が短期的なものか基本的に再価格付けが必要なものかを予め知るのは難しい。投資家は、難しい期間中はその適用を停止し、金融機関がバブル期間中にはフルにそのクレジットを享受するというアイディアには懐疑的だろう。

こういった記述を読んでいくと、結局、過剰にリスクを取りそうな金融機関について何らかの仕組みを作り capital requirement を強めること、流動性管理をより精緻で信頼出来るものにする、程度しかなさそうな感じがしますね。