ガイトナープランの評価

ガイトナーによる官民合同の投資プログラムですが、これはレバレージを与えまた資金調達には政府保証をつけて民間投資家を引き込もうというものです。ストレステストの結果については、随分事前に漏れましたが、よく言えば市場との対話を通じて、甘めの評価を市場に納得させようというもの。議会筋や国民が公的資金投入を支持していない以上、こういった方策を採るしかないわけですが、結構台所事情も苦しく、なかなかこれであく抜けとはいかなさそうです。

昔は、経済成長がそのうち不良資産比率を下げ、最終的には不良資産そのものを消してくれるという期待に賭けることができました。

しかし、今は、昔日の経済成長が望み薄の状況下で、市場にまず咀嚼してもらう必要がありますが、これはなかなか高度なテクニックが必要になりそうですね。中央銀行総裁は市場との対話を続けるうちに、有効な政策手段を失ってしまったといわれます。金融監督者や財務省がそれを編み出せれば良いのですが。その鍵は、識者が指摘するように、9.11調査委員会のようなものを作り今回の金融危機を容赦なく再分析し再発防止策を練ることかもしれません。ただ、今の動きを見ていると、関係者の折衝によっているようですから、妥協の産物になりそうです。