駄作

週末に、クララ・シューマン 愛の協奏曲 を見たけれど、正直言って、駄作だと思いました。

細部の作りが杜撰であること、たとえばピアノを弾いている部分で手をよく見ると弾いていないことがあきらかであること、などはさておき、ストーリーが如何にも脚色過多な感じがします。太田黒元雄さん等の音楽史を読んだ程度の記憶しかないのですが、ライン川へのロベルトシューマンの身投げシーンや、病院での療養などは、かなり事実を離れていて、それが、あまりしっくりきていないような感じがしました。アヘン・チンキというのが当時どの程度一般的に利用されていたのかについて知識はありませんが、ほとんどロベルトがアル中扱いされていたのも目を引きます。

映画自体はほとんどがハンガリーで撮影されたのではないでしょうか。ダニューブ交響楽団の演奏を用いていたようですが、俳優の名前の多くもハンガリーの人達のようです。ドイツ語の映画ですが、このようにしてコストを引き下げる工夫がされているのをみて、ドイツやあるいはヨーロッパにとって中東欧が持つ意味を感じました。