三菱UFJのモルガン出資決断 米政府異例の謝意 (アメリカよ、新ニッポン論 1)

毎日の一面記事。金融関係者にとっては思わず目がいく記事だろう。この事実関係は、これまでの公表されたものとあわせて考えると理解を助けるもの。

10月10日のG7財務相中央銀行総裁会議の前後、9月(22日)に提携では合意していたもののモルガンの株価が下がりここで米政府がさらに公的資金を投入すれば出資価値がさがり株主代表訴訟の恐れがあるが、ここで出資をやめればモルガン破綻の引き金ともなりかねず、MUFG側が「進退窮まって」日本政府側に極秘に打診、日米で折衝が10日夜から断続的に続き、11未明に、米政府の公的資金投入の方法が、MUFGを含む外資が後で損を出さない方法であるとの情報がもたらされた。その後MUFGとモルガンが最後の交渉に臨み、株の種類を変えて損失発生を抑える出資条件の変更で合意し、モルガンに90億ドルの小切手が(1日早く)持ち込まれ、13日の株式市場でモルガン株は急騰。
ちょうど10日に米政府がそれまでの方針を変えて、米銀に資本注入を行うと発表している。

また同じ記事は、9月23日にモルガンへの出資があるので米当局がMUFGへの処分を解除するとの極秘情報がもたらされたという。マネロンの防止体制が不十分だった内外の金融機関にリットン・アグリーメント(業務改善命令の一種)が出され、処分中は金融持ち株会社の認可が得られないこととなっていたが、MUFGは2006年に処分を受け、2004,2007年には傘下の現地銀行も2度処分を受けていた。
9月19日にはモルガンはMUFG,みずほ、CITICに出資を要請。いずれも不調に終わったが、21日にモルガンがMUFGに再度出資を要請。翌日MUFGは最大90億ドルの出資方針を決め、資産査定を2日で済ませた。
リットン・アグリーメントは30日解除され、MUFGは米金融持ち株会社設立を申請。10月6日認可が下りたが、これは史上最短。