葛西敬之さん 日米経済関係 EPA締結で緊密化を

読売新聞「地球を読む」2月8日。
中国が軍事力を拡大し海洋覇権志向をあらわにし始めているが故に、なおさら日米同盟の役割は拡充する必要がある、外交・安全保障に加えて経済面で一体化すべき。
 日米関係には産業連関の相互補完性が高まっている。
 中国産の食材、加工食品の安全性への不安→むしろ米国製農産物の優位。
 高品質の日本の農産物については中国からの輸入要請も高まっている。
地球のボーダーレス化が地球市民による地球社会を到来させるなどという予測は蜃気楼に過ぎなかったことが今回判明。新たな均衡を目指す過渡期にあるのであって、長い動揺を続けている。
中国は米政府の戦略的反発力(興味深い表現)の低下を見越して、日米同盟の実効性をテストしているかのごとくだ、として、尖閣諸島への挑発とも見られる行為を始めていることを挙げる。
1.日米製造業には成熟した相互補完性がある。ボーイングの旅客機の炭素繊維を日本の繊維メーカーが一手に供給。
2.もっとも高度に進化した市場経済の2国が手を結ぶことで、世界から保護貿易主義化への誘因を取り除くことができる。徹底的にオープンでルールに厳格な仕組みにすることで自由貿易体制堅持の動輪とする。その鍵は農業。硬直的な農業政策を改革し、その輸出入の自由化を果たし、農業を輸出・雇用創出産業にする。
製造業や農業以外でも、日本が米国を補完できる分野がある。日本の高速鉄道技術を米国に提供すること。大規模公共投資と雇用の創出が見込める。温室効果ガスの排出がもっとも少ない大量交通手段。システム一式を提供することで日米相互信頼の強化拡充も見込める。

この観点からの議論の高まりを期待したいところ。