大きすぎてつぶせない 再考

Putting shackes on 'too big to fail'
先週発表されたオバマ政権の金融規制修正案では、最大手の米銀についていくつかの措置が執られたが、この点、政権内部でも、金融システムに脅威を与えるところまで巨大化を許すべきではないとの意見が出たものの多数を占めるに至らなかったとの話が紹介されている。この点、1914年に最高裁のブランダイス判事が「巨大企業は、集中された経済力によって民主主義を脅かす」とした話を引用していろいろな見方を紹介している。
・オバマ案では、新しいルールによって最大手銀行がトラブルに巻き込まれるのを防ぐことができる。resolution powerによって大手米銀を破綻させこれを規制監督者が引き取ることが可能になった。
オバマ政権は、規制監督を強化し、システミックな脅威を与える金融機関にはより高い資本を要求しようとしている。
 しかし、これだけでは不十分で、さらに進んで、大手金融機関がトレーディングに向けることのできる金額についても制限を設けるべき(ボルカー)との考え方も。
 まだ「大きすぎてつぶせない(T.B.T.F.)」との考え方には支持者も少なくないが,識者はこの考え方への修正が必要としているようだ。

独占禁止法などで縛る考え方ではなく、方向としては、金融システムや市場へのシステミックリスクの見地から巨大金融機関に歯止めをかけようという考え方が主流を占めつつあるように感じられる。日本でも巨大メガバンクの存在は決済システムなどでは中央銀行にとって大きな問題になっていると思われ、米国の動きは他人事ではないように感じる。