ドバイショックからの回復

ドバイのショックは絶妙のタイミングで世界市場を襲った。米国の商業不動産向け銀行ローンの焦げ付き問題(約1兆ドル)、バルト3国危機(通貨を切り下げずに深刻なデフレに陥る)など他にも危機の火種が残る。ドバイ自体については、まだドバイあるいはアラブ首長国連邦が問題のドバイワールドの対外債務を明示的に保証したわけではない。
その中で、今日の日銀の決定が、どこまで世界的な危機への懸念を和らげるものであったか、やや疑問だが、今後金融市場がこの材料をどのように咀嚼していくかで決まるだろう。インドの成長率が年率7.9%に達したり、中国も年率8%を越える成長率を示しながら財政支出増や金融緩和維持を続けている。こういった新興国の大所が世界経済を支えるという構図が当分継続しそうとの見方が有力なようだ。