ギリシャ問題

 110BIOユーロに上るIMFとEUによるギリシャ救済融資枠だけではギリシャの必要資金をまかなうのは難しそうという。色々ニュースを読んでいくと市場のコンセンサスになっているようだし、色々ウエブ上での投票でも悲観的な結果を示すものが多い。
 ここ2週間以内に期限のくる8.5BIOユーロの債券の償還は問題ないとしても、2011年末までにギリシャが資本市場で資金調達ができることが前提ろいう。
 まずは財政支出削減と増税が公約通り実現されるかどうか。今回の救済枠は期間3年だが、実際には1年から1年半の間の猶予期間しかないとみるべきと市場は見ている。仮に財政支出を削減し増税したとしても、今年は経済規模の8.1%の規模に達した財政赤字が徐々に縮小し2013年には4.9%となる必要がある。それでも今後3年間の財政赤字合計が50BIOユーロ。加えてギリシャは2013年までに70BIOユーロの返済を行う必要があり、資金調達が必要な額の合計は120BIOユーロに達する。
 短期債務を引き続き借り入れ更改できるとしても、ここ3年でギリシャは150BOIユーロのキャッシュが必要。しかし、今回の救済枠110BIOユーロでは1年程度しかもたず、3年間は無理だろうと見られている。
 ギリシャ国債を引き続き格付の如何にかかわらずECBが適格担保として認めていることで、金融機関は引き続きギリシャ国債を購入しようが、結局はギリシャはECBがファイナンスしていることになる。

 ギリシャとにているのは、過去のどの金融危機だろう、との問いかけもいくつか見られる。確かなのは、このところの金融危機の多くは発展途上国であったのに対して同国は先進国の一角をなす国であること、これまで小国を通貨危機から守ってきたユーロ圏の国であることの2点がユニークだ。こういう金融危機への備えはできていなかったのである。