APEC 成長戦略の好機

白石隆さん。新成長戦略ーアジア経済戦略の下、2020年までの目標として

  • アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の構築
  • アジアの成長を取り込むための国内改革の推進
  • アジアの所得倍増を通じた成長機会の拡大

が掲げられている。そこで、経済連携を推進する必要性をとき、障害となる農業問題については、農業政策を価格支持から所得補償に転換すべきと説く。その狙いは、所得補填によって農家の所得減少の影響を緩和すること、および、自由化と戸別補償制度によって農業の構造改革を促すこと。その際に、所得補償が貿易自由化に連動することが必要であり、農業を輸出産業として育成すべきとする。
なお、最後に、アジア共同体構築はこの地域の平和と安定と反映を実現するための構想であり、日本の経済成長実現の手段でもある経済連携とは違うことに注意を喚起し、農業政策の転換およびFTAAP形成をみすえてTPP(Trans Pacific Partnership)に参加する必要があると、菅政権の成長戦略実現の第一歩とする。

オーソドックスな説明だろう。理想主義的なアジア共同体構築構想との違いを明確にしているところに「警鐘」を感じた。