白州正子展(5月3日)

砧の世田谷美術館で開かれていた白州正子展に出かけた。

仏様や観音様を今回集めたためか、はいってしばらくすると、何ともいえない、こころの落ち着いた、澄み切った気持ちになった。物の本質を見通す白州正子さんの眼光にかなったものばかりが集まっている訳だが、豪華絢爛とは対局にある世界。

それぞれの展示の側に、白州正子のエッセーの関係部分が展示されている。そうなると参観者は、展示されたものだけでなく正子の記述を読むということになる。不思議な一体感がそこで作られる。

思い立って、今回の展示の記念アルバムを購入した。母に贈ることとする。北近江などここに取り上げられているものをいくつか見ている筈だからだ。あとで宅急便を送る前に中を確認したところ、8-9の分冊に分かれており読みやすそうだ。

展示は今日まで。もう少し早くいけば良かったと思うが、とにかくいくことができただけでもありがたいと思う。そんなことが年に何回かあるものだと思う。会場では、娘さんあるいはお孫さんらしいひとに車椅子を押してもらって来ている年配の男性がおられた。そんな人でも何とか楽しめる程度の混雑だった。時々、これをみたい、と希望を声で伝えていたのが印象的だった。