asahi.com: 広がる新銀行、中小企業向け競争激化 ネット系は好調?-?ビジネス

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 新規参入の銀行が事業拡大を続けている。いずれも中小企業向け融資、インターネット決済、コンビニの現金自動出入機(ATM)などと、それぞれ特色のある業務内容やネットワークを利用する銀行だ。まだ経営体制が固まりきっていないところもあるが、既存銀行のライバルとしての存在感は着実に増している。

 中小企業向け無担保融資を手がける日本振興銀行は2日、今後5年で東京、神奈川、埼玉、千葉に計100店を出店する計画を発表した。中小・零細企業向けに原則として無担保で小口融資するビジネス手法が「妥当だと確認できた」(木村剛社長)という。大阪や栃木、埼玉での新しい「地域振興銀行」設立の動きに資金やノウハウで協力する方針も明らかにした。

 1月に筆頭株主だった元金融庁顧問の木村氏が社長に就任。「3月末に貸出残高100億円以上」などの目標は達成できたとして、次は06年3月末までに150億円に増やす目標を設けた。

 設立当初の役員の離脱や内紛で懸念された経営も落ち着いてきたとはいえ、不透明さも残る。「緊急避難」としていた木村社長体制についても、在任期間が延びる可能性を示唆した。

 やはり中小企業支援を旗印とする新銀行東京。東京都の出資で4月1日に開業したばかり。1年目は貸出残高2700億円、預金4600億円を目標とするが、「予想通りの滑り出し」(経営企画グループ)という。

 同行の仁司泰正代表執行役は「売上高が10億円以下の企業を対象とする」と大手行との違いを強調する。ただ、不良債権処理が一段落した大手行も貸出先を広げていて競合する可能性があるうえに、公表した事業計画より収益を低く見積もった計画書の存在も指摘されている。

 一方、00〜01年の発足当初は経営に苦しんだネット系などの4銀行は着実に業績を伸ばし始めた。ネットオークションなどの広がりで、ネット決済が急速に増えている。

 04年度はソニー銀行を除く3行が黒字の見通し。ソニー銀も住宅ローンなどが好調で05年度には黒字を予想している。ジャパンネット、イーバンク両行は口座数が100万を超えた。

 コンビニエンスストアでATMを展開するアイワイバンク銀行メガバンクを上回るATM設置台数となり、提携金融機関を増やしている。2期連続黒字の見通しだ。

 銀行への新規参入は、ネット関連企業や流通業などでまだ広がる勢いだ。ライブドア西京銀行(山口県周南市)と組み、ネット銀行の設立を準備中。ヤフーもあおぞら信託銀行を傘下に収め、ネット取引の資金決済などのサービスを提供する方針だ。