物価高騰 その先の悪夢

読売朝刊が中国疾走 五輪の陰で(5)で分析。2005-2006年の間上昇率が1%だった消費者物価指数が昨春から急上昇に転じ、8月以来5ヶ月連続で6%を上回っている。「物価高騰が民工(出稼ぎ農民)や失業者、退職者ら社会的弱者に打撃を与え、五輪開催中の北京で大規模な抗議行動が起き、全世界にその映像が流れる」というのが共産党指導部が恐れる最悪のシナリオとか。政府は、1月に入って価格高騰商品を対象に値上げの事前申請を義務づけ。ただ、市場経済化に逆行する物価統制のような措置。まあ、民工が養老年金基金の取り崩しをおこなっている。全国統一の年金制度のない中国では、民工がシンセンで積み立てた期間は別の場所では参入されないこともあり、将来の年金より目の前の現金の方が大事。このように消費者物価指数が6-7%上昇を続けると低所得層は持ちこたえられない(仲大軍氏、北京の民間エコノミスト)という。現在の物価高は、食品価格が中心で、また、89年や90年代半ばのような高い上昇率ではない。しかし、当時の社会には今ほどの貧富の差はなかったという。都市部では収入が多い層0%と収入が少ない層10%の間の収入格差が約31倍に開いたとの数字もあるという。