ASEAN:東アジアサミット開催は継続協議に 外相会議

2004年11月27日
ASEAN:東アジアサミット開催は継続協議に 外相会議
 【ビエンチャン藤田悟】東南アジア諸国連合(ASEAN)は27日、ビエンチャンで
外相会議を開いた。この中でマレーシアが来年の開催を提案している東アジアサミットに
ついて協議したが、ASEANの影響力低下につながることを懸念する意見があったため、
開催の形式や時期、ASEANの参加方式などについて検討を続け、来年3月に非公式外
相会議を開いてさらに協議することを決めた。

 東アジアサミットは、97年から毎年開かれているASEANプラス3(日本、中国、韓国)首脳会議を発展させ、ASEAN10カ国と日中韓の13カ国が対等なメンバーとして東アジアの協力を話し合う仕組み。東アジア地域の連携の枠組みを強化し、将来的な「東アジア共同体」建設に向けた動きを加速させようとの狙いがある。

 マレーシアは、来年に第1回サミットをクアラルンプールで開催したいと提案している。これに対し、インドネシアなどは、13カ国が対等な立場で参加すれば大国である中国の発言力が強まり、これまでの地域協力で主導的役割を果たしてきたASEANの影響力低下につながりかねないとの懸念を示している。

 このため、外相会議では、今回の首脳会議での東アジアサミット開催合意は見送り、高級事務レベルで開催方式などを煮詰めたうえで、来年3月にフィリピン・セブ島で開く非公式外相会議で再度協議するとの手続きを申し合わせた。

 東アジアサミットについては、29、30日のASEANと日本、中国、韓国との首脳会議でも話し合われる可能性があるが、ASEAN側が検討継続を決めたことにより、今回の首脳会議でサミット開催に合意する見通しは遠ざかった。

 一方、外相会議では、ASEANプラス日中韓という13カ国の枠組みを将来的に「東アジア共同体」という形へと発展させていく方向性については合意した。

毎日新聞 2004年11月27日 18時52分