アジアクリアープロジェクト

アジア開発銀行よりの委嘱で、アジアクリアープロジェクトが始まりました。客員研究員の三山修さんにヘッドをお願いし、市橋さん、荒井耕一郎さん、そして、当研究所では、糠谷さん、亀井さんが参加しています。

アジア開銀に依頼しているのは、ABMIの決済、外国為替管理を担当するワーキンググループです。われわれ国際通貨研チームの他に香港在のバレリー・マクファーレン女史がコンサルタントとしてこの仕事を受けています。

従って、報告も英語で作成しますし、関係者、即ちバレリー女史の他、アジア開銀の各スタッフとのコミュニケーションも全て英語となります。

また、これまでの調査は各国のCentral Securities Depositoryのリンケージを提案しようとするものになっていますが、そのアイディアだけでは市場関係者の興味関心を呼び起こすだけのインパクトを与えることが出来ません。より実務家が興味関心を示すものを織り込む必要があります。それがリスクではないかと考えて作業をしています。また、欧州の経験も踏まえながら実は東アジアでの地域金融協力を進めるという側面からのインプットも必要と考えています。

実は、私もこのワーキンググループ(ワーキンググループ3)の会合に隣接して開催されたワークショップに、2002年10月のことですが出席し、財務省より委嘱をうけた「東アジアの決済システム」について説明を行いました。その際に、このアジアクリアー調査の話も出たことを覚えています。決済という側面は、金融機関出身者にとっては取り組みやすい課題ですし、特に、三山さん、市橋さんは、custody関係を含めこの分野では幅広く深い実務経験を持っておられます。今後の、当研究所の一つの重要な柱になりうる分野と思っています。