コミュニケーション力

斉藤孝さんの書かれたものを最近いくつか読みました。その中に岩波新書で「コミュニケーション力」というのがあります。

当研究所の様に、実地調査で、現地の関係者と面談したり、現地の当局関係者とプロジェクトの進め方について議論をしながら進めていく場合には、相手とのコミュニケーションが非常に重要になります。一方的に、現地関係者にインタビューをしてそれを日本語の報告書に落とし、その内容について不審点も含めてインタビューした人達に確認もしないで一方的に報告書に書いてそれでおしまい、といった方法は国際通貨研の場合には、全く通用しません。

その場合に相手がどのような文脈で発言をしたのか、こちらのどの発言、問題提起に対してそのような発言をしたのか、というのは非常に重要なポイントです。文脈を無視してこちらの枠組みの中に相手の発言を組み入れるのは、非常に危険です。むろん、原稿に落とし整理する段階でそのような作業が必要なこともありますが、書いた本人は、恒にもともとどのような文脈で出てきた発言であるかを、少なくとも自分の備忘を見れば再現できることが必要だと思います。