反日デモについての見方

昨晩のNHK教育テレビ視点論点に慶応大学の国分良成さんが登場。明確な話をされるので国分さんの話は必見(必聴)です。中途から見ましたが、以下2点が興味深く思いました。帰宅してビールを飲んだ後なので取ったメモも不確かですが、私の読んでいる新聞やインターネット報道ではお目にかからない見方なので、内容は不正確かもしれませんが、備忘として記しておきます。

第一に、中国では過去、大衆運動は国内の権力闘争と結びついていた胡錦涛政権は盤石でないと思われるが、胡主席が表面に出てこない。これは党内で対日政策についてかなりの論争があることを示している可能性あがる。温家宝首相は最近対日政策で強硬発言をおこなったが、彼は3月には「3条件」に言及しており、そこには日中関係を戦略的に見ていくこと、日中戦争についての新しいとらえかたが含まれていた。最近の温首相の発言は党内論争への配慮かもしれない。

第二に、国際関係への配慮。中国政府は歴史問題を何とかして欲しいとしているが、今回の反日デモは日本の国連常任理事国入りを問題にしている。しかし中国政府はまだ日本の国連常任理事国入りについて明確な見解を出していない。21世紀には国際問題に中国が台頭してくるがそれに対して日米が連携して対応しようとしているのではないかとの見方が中国にあるのではないか。

それにしても、教育にしても、マスメディアの報道にしても、国民が普段認識している以上に大きな力を果たしています。そういった制約のもとでも、インターネットによる情報や意見の伝達の力には目覚ましい物があります。中国では好ましくないサイトにアクセスできなくなるようにする技術が随分進んでいるようですがそれでも防ぎ得ないでしょう。デモ隊の動員という面だけでなく、情報や意見の伝達という面でのインターネットの力は無視できません。

その意味で例えば中国に向かって中国語のブログで意見を訴えるということが考えられるかもしれません。あるいは既にそういう試みがあるかもしれませんが。