普段の勉強

大分気負っていますが、このような云い方をする他ないsituationがありました。

年度末の報告書の納品が一応山場をこえ、ベトナム関係ではまだ英文報告書の作成が残っていますが、一息ついたと言うところでしょうか。年度末とは直接関係のないASEAN事務局やアジア開銀よりの委嘱案件も皆さんの奮闘あって既に手を離れかかっています。ご苦労様です。

さて、当研究所がこのところ請け負っているプロジェクトはきわめて特殊なものが多いと感じている方もあるかと思いますが、常に、何らかの形で一般に取り上げられる部分と関係しています。一般的な金融インフラの知識が物を言うことが少なくありません。

何を言いたいかというと、例えば、フィリピンの金融市場インフラ調査を行うとします。題材は最近よく登場する決済インフラ物。ではフィリピンの決済インフラ関係のものを呼んでいれば良いかというと、まず決済インフラ物ですと限りがあり情報が少ないですし、周辺の関係することに目を向ける必要があります。金融インフラとして、フィリピンの金融システムはどうなっているか、金融機関の監督はどのように行われているか、バーゼル2の実施計画はどうか等々。こういった普段からの勉強があって初めて決済インフラについても信頼感を呼ぶ記述が可能になるのです。(むろん、決済インフラ整備についてのBISIOSCOISSAG-30による色々なペーパーも必要です。中島・宿輪さんの書物は単なる入門書に過ぎません。)

それがどういうところに出るか。そういったものを身につけていないと、普段の日常用語で報告書を書くくらいであれば良いのですが、MTFG等の金融機関の行内用語を使ったりしても気が付かないということになります。

私もこのところIMFFinancial Stability ReportWorld Economic Outlookを読んでいます。前者はその名前が示すとおり金融市場関連の話題が多いのですが、後者も単なる経済見通しではなく地域あるいは特定の話題についてなかなか読ませる部分が多く大変ためになります。

こういった作業も普段若干時間のあるときにやっておくことで、いざというとき、それは当研究所の研究員として執筆する際に、力になるものと思います。大部過ぎてどこから読んで良いかわからない、ということがあればいつでもどうぞ。こういった題材を話題に普段の会話に広がりが出来れば言うことありませんね。