元切り上げで、不動産価格が大暴落の危険性 2005/05/13(金) 15:22:00

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元切り上げで、不動産価格が大暴落の危険性
発信:2005/05/13(金) 15:22:00

  中国人民大学金融及び証券研究所の趙錫軍・副所長は12日、京華時報の取材に答えて、「人民元の切り上げを見越して、国外資金が中国の不動産市場に流入。元を切り上げた場合には、不動産価格の大暴落が発生するだろう」と述べた。

  趙・副所長はまず、不動産価格が上昇している原因を、「中国において投資対象が少ないことだ」と指摘。不動産は「値上がりしても、値崩れすることはない」と考えられているために、大量の休眠資金が流入していると説明した。

  趙・副所長はそれに加えて、国際的に人民元の切り上げが確実視されているため、国外から大量の流動資金が中国の不動産市場に流入していることを指摘した。

  そして、「中国政府が不動産価格の大幅な上昇を座視していれば、流動資金の中国国内市場に対する投機が進行していくことは疑いない」として、「このことは中国の金融システムが大きなリスクを抱え込むことを意味する」と述べた。

  リスクの顕在化に関しては、人民元の切り上げを実施した場合に、中国国内の不動産に投じられた国外の資本がいっせいに引き上げられるために、「不動産価格が大暴落する」といったシナリオを描き、不動産バブルの崩壊が発生する可能性の高いことを警告した。

  趙・副所長は、「現在のところ、中国にどれだけの国際的な流動資金が入り込んでいるのかを推定する手段はない」としながらも、「国際収支のバランスシートを見れば、政府が把握しきれない方法による不動産市場への資金流入が増加しつづけていることは確実だ」と述べた。

  その一例としては、上海市や海南省などにおける不動産物件の購入の多くが、実質的には外資によるものであることを紹介した。

  ヘッジファンドなどが中国の不動産市場に大量に流入つづければ、国際的に人民元切り上げを促す、なんらかの政治的圧力が高まる可能性がある。逆に、中国政府が不動産価格の高騰を抑制すれば、元切り上げ圧力が緩和される可能性もある。(編集担当:如月隼人)