学生達の就職活動に関連して(自己分析、業界・業種分析)

11月6日付けの日経新聞第二部 新卒就職広告特集 をまだ読んでいなかった。

記事の主眼は求人倍率が2倍強で学生の選択肢は増えたが、楽観は禁物で学生の2極化が進んでいるとしている。

第一に、1年活動しても内定先が決まらない学生がある。たとえば、昨年11月から就職活動をはじめ大手企業10数社を受験したがまだ内定をもらっていないというもの。多くの学生が集まる大手を中心に一部企業の競争率は高く、学生にとって選考基準の厳しさは変わらない。言い換えると、人気企業は依然として狭き門、入れる会社は多いがいきたい会社から内定をもらえるかどうかは別問題といった声。

一つの背景は、企業が量より質を追求していること。もっとも、金融業界など、言い方は別として第三者がみると、質より量を追求している例もあると思うが。

第二は、内定を獲得してもなかなか就職活動を終えることができない学生が多いこと、とのこと。内定後に、このまま就職活動を終えて良いのか悩む学生がいるとのこと。ひとつは、自分に自信がもてない、あるいは、内定先企業が心配といった、自分や仕事に対する不安感が出てきた学生。もうひとつは、最終面接参加や内定の交換条件として企業から活動中止を迫られて本人が納得しないままに就職活動を終えた学生。

学生に対するアドバイスとしては、以下が挙げられている。

  • 早期に納得して就職活動を終えるには、自分に合った会社から内定をもらうこと。必要なのは自己分析と業界・企業研究。
  • この点、自己分析=自分の良いところを探す作業、業界・企業研究=自分を生かす企業を探す作業。自己分析とは自分の性格分析ではなく、他人にアピールできる自分の長所と能力を今までの人生の具体的な経験の中から見つけること。家族や友人に聞くも一法で自分では思っても見なかったことを指摘してもらうこともあろう。

→友人に加えてゼミの先生もよいかもしれない。さらにいえば、少人数教育の大学であれば、ゼミ以外でも先生からアドバイスを受ける可能性もある。学生が「ポートフォリオ」を定期的に作成し、教員や大学側と双方向のやりとりをおこなっていれば、そういう過程から見つけられるものがあるかもしれない。

業界・企業の特徴や仕事内容を知ることができれば、自己分析で明らかになった自分の長所や短所をいかせる仕事があるかどうかを知ることが出来る。それが、説得的な志望動機になりうる。企業に対する熱意があると受け取ってもらえる可能性も生まれる。

確かにそういう面はありそう。

自分のや仕事に対する考えが明確になり、自分のこの能力を使ってこの会社でこんな仕事をやりたい、ということが明確になる。これをエントリーシートや面接で伝える。内定をもらう可能性が高まるし、自分も納得しているので、内定後に不安に駆られることもなくなる。就職後のミスマッチも防げる。

自己分析や業界・企業研究は、採用選考対策のみならず、その後の人生にも大きな営業を与える。

良い分析だと感じた。また、大学側には、学生の教育体系の中に組み込むべきヒントがいくつかあるように感じることができたのは、私の収穫だった。