米国によるテロ指定解除通告

日経新聞朝刊をもとにまとめてみる。

編集委員 秋田浩之氏の記事

  • 日本が拉致問題でのカードを1枚失うことになる。
    • 米国:米朝の合意に基づく話であり、日本も独自にテロ指定の法律を作ればよい。
    • 日本:米国が指定するからこす効果がある。
    • とのやりとりがあったらしい。
  • 米政府を公然と日本が非難し日米関係を冷やすのは得策ではない。
  • 日本は拉致と核の双方を追うには米韓中と連会し、北朝鮮が日朝協議を放置したままでは6カ国協議も大きく前に進めない仕組みを改めて作り直すしかない(ここで「米国が北朝鮮に拉致問題での進展を迫ったのは、このままでは日本がエネルギー支援に参加せず、6カ国協議が動かない地点まで来たから」との外務省幹部言が紹介されているが、この部分の意味が今一つはっきりしない)。
  • 米国にとってはイランの核問題の方がはるかに深刻であり、イラン問題で米国を支える知恵も必要。
  • 日本にできることは核問題でも北朝鮮に強い圧力をかけ非核化にむけ他国と連携すること。

社説がいつになく厳しいトーン。「あなたは太平洋の対岸にあるもっとも重要な同盟国を失うきっかけとなる決定をした大統領として歴史に名をとどめたいのですか。」と結ぶ。?今回の取引は合理性と均衡を欠き、核の完全廃棄に向けた交渉をかえって難しくする。?深刻は核兵器に言及せず検証措置も不明確、?北朝鮮は拉致問題を解決しておらずテロ支援国家でなくなったとはいえない、?ブッシュ政権はイランには厳しいが北朝鮮にはそうでもない。北朝鮮への脅威感覚が共有されていないが、そうであれば日米安保条約は紙切れに近い。

北朝鮮との対話を進めるならイラン問題での強硬路線に足並みを揃えるよう求める力学がブッシュ政権内で働いているとの見立て。ライス長官とチェイニー副大統領の微妙な関係。
任期切れ間近な米大統領が北朝鮮との対話を急ぐ構図はクリントン政権の末期にもあった。
米国は、北朝鮮の核保有そのものより核拡散させないことに重点を置いているとの見方。


一面的な強硬路線の継続ではなく、冷静に米国政権のおかれた立場、次期政権で予想されるスタンスを見て、日本も色々な局面展開に耐えられるような、一貫性と柔軟性を兼ね備えた対応が求められそう。