豚が警鐘を鳴らしていた

大機小機 童 さんの寄稿。昨年夏、中国で豚肉価格が上昇した際に、豚の供給を増やせば価格が下がると当局者は考えた。しかし、多くの養豚農民は高収入の建築現場や輸出産業に転職していた。背景には、過剰流動性に基づく固定資産投資の過熱と、旺盛に海外需要による輸出景気。かくて、物価上昇は、豚から他の農産品や工業製品に波及。

余永定氏は、住宅価格を資産価格と考えて議論せず、経済全体の需給アンバランスを低くみて、緊縮措置のタイミングを誤った、と悔やんでいるらしい。資産価格上昇と消費者物価の安定は、日本がバブルの認識を誤った時と同じ状況。

専門家の間では既知のことかもしれないが、それをさりげなくはさまれる筆者の筆致に敬服。