Fannie Mae and Freddie Mac

Barronsに両機関への米政府による資本注入必至との記事が出て、金融不安が再び頭をもたげている。6月末現在の自己資本は、Fannie Maeは120億ドル足らず、Freddie Macはマイナス56億ドル。加えて、時価評価された両機関の資産は実際には相当かさ上げされており、人によっては両機関の資産は500億ドルのマイナスとするものもあり、さらにこれは悪化の一途をたどっている。
もっとも、国有化へは障害もいくつかある。80年代初めには両機関とも実質的に破綻したが、結局長期金利の低下に救われた。また両機関とも強力なロビー活動をおこなってきている。両機関自身に落ち度があるわけでもない。等々。

迅速な対応で米国の金融システム建て直しの可能性が一時議論されたが、住宅市場との結びつきの強さと住宅市場のファイナンスをささえる両GSEの経営問題で事態はまた混沌としてきた。GSEについて迅速な対応を求めるとすれば一時国有化しかなかろう。特に中長期金利低下の確たる見通しがない現状では。