米国の金融システム再建

「米金融安定化 なおリスク」議会調査委月例報告 不良資産、劣化の恐れ。日経夕刊
「紹介物」としては、貴重な記事のように感じた。

  • 昨秋の金融安定化策の導入から10ヶ月が過ぎても6000億ドル-1兆5000億ドルの不良資産が銀行のバランスシートに残っており、特に商業不動産ローンが中小銀行に集中していて、金融安定化策の盲点。
  • PPIP(官民投資プログラム)については、時価会計が緩和されたため銀行が不良資産を売り急ぐ動機が弱まった。民間投資家も政府の経営管掌を恐れて参加に尻込みしている。有効でないと判断された場合には、政策を見直す必要。
  • 問題を正確に把握するために、金融機関の不良資産の金額や内容をより詳細に開示させるよう、米財務省などに対応を要請。また米政府が行った大手金融機関の健全性審査(ストレステスト、こんな風に訳すことにはちょっとためらいを感じますが)について、経済環境が想定より悪化した場合には、テストをやり直すべき。

と,今回の調査委員会の月例報告を紹介した上で、最後に以下のように締めくくっている。

米政府は昨年、7000億ドルの公的に資金による買取を打ち出したが、断念して資本注入に切り替えた。今年、改めて官民による1兆ドル規模の買い取りを決めたものの、金融市場の改善を理由に再び400億ドルに縮小。不良資産の抜本処理は進まず、先延ばしになっている。

ひきつづき米銀の破綻が続いているようだが、金融システム再建について整理する必要がありそう。