内田樹の研究室: 反日デモの伝える声 を読む

コミュニケーション力の問題かもしれないし、色々なしがらみからコミュニケーションしようという意欲を喪失しているのかもしれません。でもこの内田さんのご指摘は、私が先週中国で若い優秀な皆さんを前に感じたところに通じるものがあると思います。内田さん、ありがとうございます。

中国の「反日デモ」は記号的な出来事ではないかと私は最初に書いた。それは「そうすることによってあなたがたは何を言いたいのか?」と私たち日本人が問うことを求めている。私はそう思っている。そして、私が聴き取った彼らからの声は「日本人よ、私たちに届く声で語ってはくれまいか?」というメッセージである。

さらに反省すると、私にはそのとき十分彼等を説得できるだけの準備がありませんでした。その理由の一つとして、同じ日本人なのだから、日本の政治家や官僚に責任を転嫁するような説明は行いたくなかった、むしろ、なぜそのようなことになるのか説明をしようと思ったのですが、中々頭のなかを整理することができませんでした。色々な政治勢力のぶつかりあいや日本におけるマスメディアの果たす役割等を考えながら次回はトライしてみたいと思っています。