上海での会議

4月1日にIIMAのオフィスにいないとは思っても見ませんでしたが、ひょんなことで上海の国際会議に参加することになりました。

これは中国が中心になって進めているNEATという東アジア共同体に向けてのthink tankの集まりで、日本からも日本国際フォーラムが窓口となっていますが、地域金融協力を議論するにあたってIIMAと国際金融情報センターが参加したものです。国際金融情報センターの方は事情があって事情に余り詳しくない若手が参加したことから、私の方がほとんど日本代表のような役回りになりましたが、幸運も手伝って無事切り抜けることが出来ました。

基調講演をやらないかと中国側から持ちかけられ受けたのですが、こういうのはやはりできるだけ受けた方が良いですね。色々考えてスピーチの内容を考えましたが、年度末の仕事や皆さんの原稿をチェックしてコメントしたりで時間が取れず、原稿というよりはこれまでの色々なものの寄せ集めで3割程度は日本語のままというもの、でも話す内容は良く考えたつもりです。当日朝、他のスピーチを聴きながら調整をしました。結果として、2日間の議論の一つの方向性を示すものとして評判が良いものとなりました。その他、3つのセッショいずれも発言を求められましたが、一方で発言者が多く短時間に多くのコメントをする必要が生じました。やむをえず上海に入ってからパワーポイントの資料を20コマ程度作ったでしょうか。他の発表者が予め準備してきたものを精々多少修正するか、あるいは、中国側の主催者以外の研究者のほとんどがそうでしたがほぼ棒読みするなかで、それまでの議論の流れを踏まえた私のコメントは評判が良かった様です。

これは別に評判を良くしようとしたと言うよりは、道理に合わない妙な方向に議論が進んでも困るので、必死に議論をいってみればフェアウエイの真ん中に引っ張り出そうとして、その結果とも言えます。そのために英語で簡潔な言い方でやりくりできればよいが、ある程度記録、証拠として残すという意味も加えると、資料の提供は不可欠でしょう。

この他に感じたのは、いつも常々浅見さんが言っておられることですが、発言は早めにということです。早めに話すのは楽ですね。しかし、これだけ色々な論点があると、かなり後になっても十分に言うことがあります。

あるいはアジア人が中心で英語について気後れしなかったのかもしれません。しかし、それよりももっと助けられたのは、テーマがこれまで地域金融協力の中で、浅見さん、森さん、福居さん、吉田さん、志村さん、松井さんと一緒に取り組んできた身近なテーマであったことが大きいと思います。英語力も必要ですが、何よりも重要なのはそのテーマを熟知することという点も改めて感じました。

同じような機会が是非皆さんにも早く来ればと思います。で、余計なことですが、自分でこれを待つことが必要な部分もありますが、そういったチャンスは自ら作り出す部分もあるということを付け加えておきたいと思います。このあたりはまたの機会に私の考え方を説明したいと思います。