日曜寄稿

山根一眞さんのデジタルスパイスの指摘が心に残った。メタルカラーで取材を重ねて日本の技術の蓄積について並々ならぬ知見と愛着を持つ山根さんならではの指摘。でも、どうだろう。こういったことを実現できるかどうかは結構紙一重のところもある。経営や外部環境の運不運もある。でも以前にもまして経営の舵取りの巧拙のもたらすところは大きいというべきだろう。

新モデルipodの発表について、「たかが3万円前後の製品の登場が世界的なニュースになることの意味を日本メーカーは真摯に考えて欲しい」「デザインや操作性、ソフトウエアの使いやすさが抜群であることに加え、製品自体がネット接続を前提にした構想力を持って設計されていることでもたらされた。ーー何処までもユーザーの延長線上にいて、少年の好奇心で自分がほしいものを次々に製品化してきたからだと思う。」一方、「素人経営者を外部から招聘して人員削減ばかりが経営目標となって混乱に輪をかけ、肝心の技術者たちの少年のような好奇心がどんどん失われているからではないかと心配している。」