統計局:論文「貿易と元切り上げ」、輸出で大打撃 2005/05/10(火) 20:21:58

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統計局:論文「貿易と元切り上げ」、輸出で大打撃
発信:2005/05/10(火) 20:21:58

  国家統計局は10日、オフィシャルサイトで、署名入りの貿易に関する論文を発表。2005年1−3月の貿易状況を分析し、人民元の切り上げについても言及、「人民元の切り上げ問題は今年、中国の輸出に深刻な影響を及ぼす可能性がある」と指摘した。

  2005年1−3月の中国の輸出は前年同期比34.9%増に対して、輸入は同12.2%増どまり。貿易黒字は実に165.8億ドルに達した。安価なコストや競争力高い価格などの要因はあるものの、この輸出超過は当初予測を大きく上回る水準だ。

  これについて、この論文では、「貿易業者は、貿易摩擦や人民元切り上げなどのリスクを避けるために、この期間、輸出を強化、そのために、この時期に輸出が集中する結果となった」が、「今年通年の傾向を反映するものではない」としている。

  しかし、それでも、「中国政府や関連部門はすでに対外的に人民元の為替レートに対して改革を進めていくことを承諾している。いつ改革が始まるのかに関わらず、人民元の切り上げ観測があるだけで、わが国の輸出は均衡を失う」と指摘。

  さらに、「もし人民元が年内にも切り上げが行われるようであれば、わが国の輸出は重大な影響を受けることになる」としている。「歴史的にも、人民元レートの変動は、輸出の成長に大きな影響を与えてきた」。

  人民元の切り上げ(レート見直し)幅について、「一部の人は3−5%程度と見ているが、さらに一部の人は15%かあるいはそれ以上とも予測している」とし、どちらにしろ、輸出の成長に「比較的大きな影響を与えることになる」。

  「もし後者(幅が15%かあるいはそれ以上)であれば、中国の今年の輸出はマイナス成長、さらに(その幅や環境次第では)大幅なマイナス成長になる可能性がある」と警告する。

  しかし「さらに指摘しなければならないこと」として、「人民元が大幅に切り上げられれば、投機資金は莫大な利ざやを稼ぐと同時に、その後、資金の急速な流出を引き起こし、人民元は短期的に貨幣価値を急速に下落させることになる」と、その反動も警告。

  どちらにしろ、「激しいレートの値動きは、わが国の輸出の均衡を完全に破壊することになる」と指摘。今年の貿易が、人民元の為替レート改革と深く関わっていくことになるとしている。(編集担当:鈴木義純)