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岡田代表:
外交ビジョン アジア重視打ち出す

 民主党岡田克也代表は就任から1年を迎えた18日、政権獲得後の外交・安全保障政策をまとめた提言「『開かれた国益』をめざして」を発表した。日本の役割として「アジアと米国の連結器」を標榜(ひょうぼう)。アジアの平和化を最重要の国益と位置づけ「東アジア共同体」の構築を打ちだす一方、日米同盟については必要性を認めながらも「米国に自制を促すことも必要」と指摘。対米重視一辺倒の余り対中韓関係が悪化している小泉政権との違いを意識した内容となっている。

 昨年8月の代表選出馬表明の際に示した「2015年、日本復活ビジョン」を肉付けした。外交方針として戦後日本の果たした役割と、先の大戦での過ちの双方を自覚した「自信に裏付けられた謙虚さ」を提唱。焦点の日中関係では、首脳会談の定期開催に加え、外務・防衛閣僚レベルでの会議の設置を提案した。

 東アジア共同体は、東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓の計13カ国によるアジア首脳会議を起点にすると想定。各国との自由貿易協定(FTA)締結を促進する一方、歴史認識問題を踏まえ戦没者追悼のための国立施設建立が必要と強調した。

 日米同盟では小泉政権を「米国の戦略への追随を強めている」と批判。アジア太平洋では米国との関係を深めるが、他の地域での自衛隊派遣は国連の枠組みで行うことを日米の共通認識にするとした。また、国連平和維持活動(PKO)の参加5原則での武器使用基準の緩和を打ち出し、PKOには自衛隊だけでなく警察も活用するとした。【田中成之】

 ◇民主党岡田克也代表が18日に発表した外交ビジョンの骨子は次の通り。

<アジアとの関係>

東アジア共同体を構築する

▽中韓両国の首脳と信頼関係を構築する

▽日中両国の外務・防衛担当閣僚協議を設ける

▽海賊対策で中国、インドなどとシーレーンを共同パトロールする

<日米関係>

▽アジア太平洋地域での関係は深め、他地域への自衛隊派遣は国連の下で行う

▽日本の判断を前提にミサイル防衛を推進する

<国際貢献>

▽PKO参加5原則を見直し、武器使用基準を国際的な標準に合わせる

毎日新聞 2005年5月18日 20時28分