三菱東京 ＵＦＪ銀、全支店に「顧客満足予算」

　三菱東京ＵＦＪ銀行が顧客満足度を高める支店作りを本格化させている。本部主導で全国一律の支店整備を進める従来方針を見直し、メガバンクで初めて、全国６６２支店すべてに「顧客満足予算」を配分し、営業現場発の様々なアイデアが実現している。

　各支店に配分する予算は年間３０万円が原則だが、支店の要請に応じて２００万円を配分したケースもある。旧東京三菱銀行時代の昨年４月にスタートしたこの予算は、今年１月以降は合併した旧ＵＦＪ銀行の店舗にも広がり、支出額は累計で約６億円。予算の使い方は千差万別だ。

　碧南（へきなん）支店（愛知県碧南市）は今年２月、携帯用の防犯ブザーを６個購入した。多額の現金を引き出して帰宅する高齢客などに無料で貸し出し、喜ばれているという。

　町田支店（東京都町田市）は今年１月、約１８万円を使って、住宅ローンの相談コーナーなどがある２階フロアの一角に、絵本やぬいぐるみ、アニメのＤＶＤなどをそろえた「キッズスペース」を新設した。「子供連れなので、ゆっくり相談できない」という顧客の声をきっかけに整備を決めた。

　吉松文雄・お客さまご相談部長は「来店客に喜んでもらうためには支店の自主的な取り組みを引き出すことが重要」と話している。

（2006年9月10日12時10分読売新聞）