マニュアルに書ききれないこと

用事があって大手百貨店の本店のお中元売り場に出向いた。字が汚くてそのまま手書きの宛名で送って欲しくなかったのと、手書きの領収書が必要なので、出向いた次第。売り場では、「それではお中元売り場に行っていただければ今ミューター入力しますから、宛名はきれいにかいてもらえますよ」と誘導された。忠言売り場にはおそらく80-90人の百貨店社員が対応していた。そこで感じたのは、お中元でやってくる人たちを迎え入れて、きちんと対応し、気持ち良くかえってもらおうという意気込みが売り場にいる皆さん全員から感じられること。つまり、それぞれカウンターで来店客に対応する人たちがいる一方で、手が空いている人たちは、来店客が整理されて会場内に入ってくる方に体を向けているのだが、何となく全員が無駄なく対応しているように見える。確かに、来店客数がピークを過ぎると多少対応する百貨店側のスタッフの数が余ってしまうが、それでも、手持ちぶさたな状況でもお互いに私語をかわしたりするようなところがなくじっと来店客の入ってくる方向に視線を遣っている。こういったあたりは、マニュアルには書ききれない、長年伝承されたノウハウなのだろう。そして、なにがしかの緊張感が持続されるところには、何かの仕掛けがあるのかも知れない。