久恒啓一さん 残業はするな「前業」をせよ

著者のブログを読むようになって購入しました。薄い読みやすい本でビジネスマン向きですが今の仕事でも十分参考になりますし、この種の本にしては珍しく著者と似通った発想、意見を持つ点が多く共感しながら読了しました。で、早く読み終わりすぎたのでもう一度読み返しました。以下、吟味したいポイントと、そのいくつかに自分なりのコメントをつけてみました。

・良い企画は深く考えても出てこない。細く、長く考えるのが良い。

一晩寝かせるとアイディアがさらにレベルアップすることがあります。できれば2,3日欲しいですね。今の仕事では、数週間寝かせておくと良いヒントが生まれたりします。

・企画書の締め切りは(実際の締め切りの)1週間前に設定しよう。

なかなかできないことですが、細く長く考えることに通じます。

・本当に忙しい人には、なぜか忙しさを感じさせない人が多い。それは、自分のやるべきことを知っていて、現在と近未来の関係をつかんでいるという自信があるからだ。

ここまで行きたいですね。私の場合には、他人に向かっては「忙しい」という言い方だけはしないようにしています。「心を亡く」しますし。

・失敗は30歳くらいまでは許される。企業によって異なるが30歳以降は中堅という言葉の方がしっくりくる。人生時計でいうと30歳は午前9時だ。

・自己満足が重要。やるだけのことはやったのだから、結果は残念だったが満足していると自分を評価できることが大切。

ここ10年くらいの私は同じ事を考えてきました。自分が満足できることが、結局自分への周囲の信頼につながるようにも思います。

・努力次第で自分が勝てる相手が一人だけいる、それは過去の自分である。

良い言葉だと思います。

・知識よりも教養を身につけたい。これから、修養、研鑽、鍛錬がキーワードになるのではないか。

耳が痛いですね。しかし総合力で勝負する時代なんでしょう。特に国際的には。

・自分の企業歴史、社風、将来の会社の方向、現在の問題点等々の研究をおろそかにして、他社の事例研究をするのでは本当の成功はない。

違う意味かもしれませんが、米国はこうだ、欧州はこうだ、日本は違う、問題だ、式の「対比」指向では、日本そのものの問題点は探れないと思っています。足下をまず固めよということだと理解しました。

・作業をしている間は仕事ができない。どのような仕事にしても相手が何を望んでいるかを考えて仕事をすべき。

・自分の好きなことを仕事にしてはいけない。

・公私の「私」で自分だけの強みを作るのが良い。

人的ネットワークそのものでしょうか。

・上司に相談するのは良いが、結局その問題は自分の意志で決定するのだという決意をもって臨むことが必要。

・変化を恐れるようになったときに人は年を取る。変化をマネジメントすることで自分の成長を促し続けることが大事。

・頭のいい人より、性格のいい人が伸びる。

両方必要なんだろうと思います。性格のいい人という言い方にも色々なニュアンスがありそうです。

・決断で重要なのはスピードのみ。どちらを選んでもその後の自分の行動や心がけ次第で結果は変わる。

・作業ではなく仕事をしなくてはならないのに、上司はあまり深く考えずに簡単に指示を出す。しかし、そこに自分が成長し周囲からも一目おかれるきっかけが眠っている。ちょっと掘り下げて考えるかどうかが大きな分かれ目になる。

・手みやげは持って行かない。情報に飢えている人は少なくない。しかも、自分の興味のあることなら、いくら知っていても多すぎるということはない。

随分昔営業の仕事をしていたときに痛感しました。最初は毎朝スポーツ新聞を駅で買って読んでいましたが、そのうち、前日の欧米の様子を早朝頭に入れることに没頭しました。インターネットはおろか新聞、テレビも情報が少ない時代で今から思えば苦労しました。

・女性には激励が重要。男性を励ますような叱咤で効果がでないことも多い。また、一つ問題が解決した際や成長がわかった際などには、次の課題を与えることも重要だ。それによって相手が成長する道筋をきちんと示し、伝えてあげることができれば、がんばることができる。

・縁は細く長くつなぐ。メルマガの活用。

・偉い人に接する際は、無礼ではない範囲で自然体で接するのが大事。相手に受け入れてもらうコツは、相手が望んでいることをしてあげること。

・仕事は頭でするものではない。体でするものだ。知力をささえるのは気力で、気力をささえるのは体力である。あと一歩頑張ることが大事。この点、受験勉強をやってきた人は最後まで頑張ることができる人が多い。

受験勉強は習慣付け、勤勉さを体で会得する、という面では意味がありますね。

・プレゼンは中身よりまず日程を決めよう。一日一提案を自分に課す。

・仕事の報酬は仕事。

そう思って来ました。仕事が舞い込むのはありがたいことです。

・鵜呑みにするのと素直に聞くのは違う。

等々、一部ですが紹介してみました。

最後に、久恒さんのますますのご活躍、特にご健筆をお祈りしたいと思います。