川嶋太津夫氏 「学士力」の必要性 を読んで

実家に向かう飛行機の機中でたまたま26日付け読売新聞に川嶋太津夫氏(神戸大学教授)が「学士力」の必要性と題して寄稿されているものを読みノートを取った。
中央教育審議会の小委員会が公表した審議経過報告の紹介だがご自身関係されている。そこから興味を引く点をメモ。
欧州 「ボローニャ・プロセス」が進行中。各国の学位制度を統一し、学位が保証する知識や技能の水準と内容を共通の学習成果として設定し、これを参考に各国や各大学がカリキュラムを編成。特に英国では、学士・修士・博士の学位ごとの学習成果に加えて分野ごとの学習成果も全国的に設定されている。
米国 歴史的には大学の自立性と多様性を重視してきたが、変わりつつある。州政府や連邦政府などの財政支援機関が学士過程4年間の付加価値を明確にするように大学に求めている。各地域の適格認定機関も、大学評価基準のなかで各大学が学習成果を明らかにし達成度を報告するよう求めている。
日本
各大学には 内外の動向(欧米のことか?)を考慮し、我が国の学士家庭教育の国際的な通用性を高めるために、各大学の「建学の理念や国際的な通用性を勘案して、授与する学士号が保証する知識や技能を学習成果として明確にし、その習得をすべての学生に図るよう、カリキュラ、教授法、評価法の開発や工夫を求めた。
国に求めたこと。  学士力(仮称)を内外に示す。学士力は「知識・技能」「汎用的技能」「態度・志向性」「統合的な学習経験と創造的思考力」からなる。

私見:
大学卒業者も、さらに上級の学校で教育を受けるものとそうでないものに分かれる。就職試験という関門で大学の評価は相当決まる。これこそ大学の市場評価ではないか。理想を高く掲げるのは良いけれど、これは自己評価を求めるのか、第三者評価を行うのか。むしろ、社会や学生の満足度を高める方向に舵取りを取るように誘導する方が無駄もなくて良いと思うけれど、どうなのだろう。この審議経過報告を読む必要がありそう。