子安宣邦さん「近代の超克」とは何か

思想史家の手による「近代の超克」の内容を改めて吟味するコンパクトながら内容の濃い近刊本。昔、近代の超克は、新書版のような形態のものを手にしたが、そのとき感じた疑問の多くが解き明かされていったように思いましたが、そういう思い込みかもしれません。

しかし、東アジア共同体といったアイディアは、なぜ、何を目的にその必要性を訴えるかという点を明確にさせることが必要という点を改めて感じさせた。子安氏の主張を自分なりに読み解くと、そこを不明確したままではまた失敗に終わるだけ、ということになりましょう。域内の経済的な結びつきが強まり共同して色々な問題にあたることが必須、といった点もその際には重要なポイントになると思われます。

こいや