日銀総裁後任を巡る混乱。

武藤副総裁昇格に民主党が不同意の線が濃厚になったというが、「別な幹部」が山口元副総裁ならば受け入れるとしたというのが読売の報道。中央銀行総裁が空席では国際的には冷笑を買うこと必至で、これは谷垣さんの指摘を待つまでもない。日本の二大政党はどちらも真剣に政権維持あるいは奪取をはかっているとは思えない策を取ることがままあるが、これもその一つだろう。

山崎正和 サブプライム問題 低調な責任追及 不可解
読売地球を読む。賢者に笑われるのを覚悟の上であえて素人の素朴な疑問を投げかけるとして、人為的な災害の原因を究明し責任を追及する声がなぜか高まらない、これは誰かの陰謀の結果なのか、市場経済が犯す不可避な誤謬なのか。サブプライムローンを誰が最初に思いつき、それをCDOに変えることを誰が最初に思いついたのか、と疑問を呈し、ジャーナリズムと研究者の総力を挙げて今回の災害の本質を抉り出すことが必要とする。
面白いのは、グローバル化した市場中心社会にはかねて、諦めに似た感情が瀰漫していて、経済現象に限らず、事実上の標準からファッションにいたるまで、生活の基準があたかも自然現象のように人類を支配していて、善悪を問うという本能が封殺され、人々は不可解な焦燥に駆り立てられると分析する。言論人に問題と取り組み真摯な分析を求めている。

経済記事の触れない重要な領域ではないだろうか。