アジア経済連携の再構築を を読んで

日経社説 アジア経済連携の再構築を 6月に国会が承認した経済連携協定EPA)の年内発効を目指す(高村外相@日本ASEAN外相会議)。
もっとも、日本の産業界不満:
その1:貿易相手国の関税が一気に大幅削減されるわけではない。
というのは、WTO加盟国に適用される最恵国待遇関税を先行して削減している国もあり、日本とのEPAで定めた特恵関税より税率が低い品目も多い。いわば逆転現象であり、EPAを用いると逆にコスト負担が増えてしまう。EPAを使わないように政府が注意喚起するという異様な事態。
その2:製品の原産地規則の仕組みが不十分で域内で作られたとの証明をえないとEPAの低い関税の定期用を受けられない。

要領よくまとめて問題点を指摘。他の新聞にはない強みだろう。最後に、日本企業が域内統合で果たしている役割に言及しながら
「日本企業は製造工程を複数の国に分散し、それぞれの国で付加価値を積み上げている。原産地を認定する際に部品・材料や労働の価値を累積するルールが明確でなければ、日本企業は永年築いてきた域内の製造ネットワークを生かせない。」
とする。結論に発展性や具体的提案がなく問題点の指摘の繰り返しに終わっているが、やむを得ないだろう。