フットパス、「湖水地方を歩く」と香港の遊歩道

谷村志穂さんの「イギリス湖水地方を歩く」の冒頭に英国には全長24万キロに及ぶwalkingのための道があることを知って驚く下りがある。だからwalkingも立派な趣味になるようだ。この話を読んで、あの狭い香港の山にいくつものtrailがあり香港人の間にも随分山歩きをする人が多かったのを思い出した。きっとイギリス人が植民地時代に持ち込んだ趣味なのだろう。旧英国植民地諸国には同じようなフットパスのようなものが多いのだろうか。

香港ではビクトリアピークの近くの尾根道まで、香港大学のキャンパスの少し上、ちょうど学長公邸のある辺りから、20分程度かけて傾斜の急な道を上っていくのが好きだった。喧噪の街香港も少し離れれば、自然が近く、尾根近くまで上ればかなり遠くまで見渡せる。この尾根道はビクトリアピークの十数メートル下を一周するコースで、途中から観光客も多くが足を伸ばす展望コースとつながっている。特に冬場の澄み切った朝は随分遠くまで良く見えた。心地よい足の疲れとともに胸一杯に吸い込む空気のおいしさが忘れられない。