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経産省、東アジア全域で資源リサイクル構想

2005年05月10日15時37分

 経済産業省は、東アジア全域を対象とした資源リサイクルの仕組み作りに乗り出す。有害物質を含む廃棄物の不正輸出が後を絶たないため、全地球測位システム(GPS)を使った廃棄物の追跡システムを導入し、確実にリサイクルできるようにする。手始めに、中国に対しパソコンやコピー機のスクラップや中古部品の流通に関する二国間協力を呼びかけ、年内の運用開始を目指す。

 石油や鉄鉱石の需給が逼迫(ひっぱく)する中、鉄くず、廃プラスチックなどリサイクル資源の需要は国際的に高まっている。また、ブラウン管用ガラス材のように国内では有効活用できなかったり、水銀やカドミウムなどリサイクルに高度な技術が必要で、途上国での処理が難しい資源もある。

 だが、先進国から途上国への有害廃棄物輸出を禁じるバーゼル条約や各国ごとの輸入規制など、国境を越えたリサイクル資源の移動には障壁も多い。経産省は政府が監視体制を強めてリサイクル資源のスムーズな移動を図り、アジア全体で効率的な資源循環を目指す。

 第1陣となる日中協力は、中国に生産拠点が集積するパソコンやコピー機について、日本国内で出た再使用可能な部品や廃プラスチックなどを中国に輸出し、逆に水銀や鉛などを含む部分を日本に輸入する。

 最大の課題は安全性の確保。リサイクルを隠れみのにした不適正な廃棄物の輸出入は後を絶たず、中国は昨年、日本から輸出された廃プラスチックに生活ゴミなどが混じっていたことから、日本からの廃プラ輸入を全面禁止している。

 経産省は現在、国内の電機メーカーと、GPS情報とデジカメ画像で排出から輸出入までを追跡するシステム作りを検討している。中国側は事務レベル会合で前向きな姿勢を示しており、経産省は6月にも開かれる「日中リサイクル政策会合」で共同研究を呼びかけ、年内にも運用を始めたいとしている。