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三井住友銀、農業法人へ無担保融資

2005年05月22日06時07分

 三井住友銀行は、大手行で初めて農業法人向けの無担保融資を始める。これまでは積極的な融資対象ではなかったが、経営拡大に意欲的な農業法人なら成長期待が大きいと判断し、ベンチャー企業向け融資の審査手法を応用。銀行の取引先網を使って農産物の販売先を紹介するサービスなどを加えることで、農協系金融機関の「牙城(がじょう)」に切り込む。

 今回創設した融資「Vファンド アグリ」は、1件あたり融資額が3000万〜2億円で、融資期間は最大3年。担保を求めない代わりに、外部の評価機関を通じて農業法人の財務内容と業績予想、信用度などを2週間程度で審査し、融資の可否と金利を決める。

 今年度から始まった政府の農政指針「食料・農業・農村基本計画」で大規模農家に助成を集中する方針が盛り込まれ、拡大志向の農業法人の経営環境が良くなると判断した。初年度の融資目標は50億円で、年度内には1件1000万円以下の小口融資にも乗り出す方針だ。

 8月下旬には、農業法人とスーパー、食品加工会社など約40社を集めた第1回の商談会を東京で開く。農協に頼らない販路開拓を支援することで、融資のきっかけをつくる狙いだ。

 農協系金融の全国団体である農林中央金庫によると、農業分野の融資シェア(04年3月末)は農協系が計87.4%(約19兆円)を占める。常陽銀行(茨城県)などいくつかの地方銀行では農業向け融資強化の動きも出始めているが、一般金融機関のシェアは3.9%にとどまる。

 農林中金も4月に、無担保でも可能な新型融資「アグリビジネスローン」を投入するなど、大規模農業法人の「農協離れ」を食い止めるための金融サービスを強化しており、競争が広がりそうだ。